研修って誰でも多かれ少なかれ受けてますよね?その時に、講師に対してどんなイメージ持ちました?

良い講師の条件はいろいろとあるのですが、一つにはビジネスを良く知っていること。象牙の塔にこもった学者先生に教えられたくはないですよね、やっぱり。

が、逆に言うと、良い講師といえどもアカデミックなことは良く知らない事もあります。とくに、心理学・教育学の分野は、講師の力をさらに伸ばす知見がいっぱい。

それを分かりやすく解説しようという試みがこちら。

中原 淳他著、企業内人材育成入門

上述の通り、ビジネス教育における研修講師として知っておくべきアカデミックな背景を「広く薄く」解説した好著にして労作です。

研修の効果と目的をちゃんと押さえた上で内容を設計しましょう、というスタンスも正しいですね。ほら、研修ってともすると、「何をやるか」というインプットにばかり目が向いて、「その後どうなるのか」のアウトプットがおろそかになりがちですからね。

本書のもう一つの特徴は、「企業教育の政治力学」を論じているところ。これ、ホントに大事な概念で、研修は誰のためにやっているのか、そして、その人の真意は何か、を理解することは「成功」する研修に不可欠なんです。

短所としては、「広い」領域をカバーするが故に「薄く」なってしまったこと。

いや、もちろん、豊富な参考文献が掲載されているので、「薄く」なったのを補完する作用はあるんですよ。でも、「薄く」なったが故に、全体としての 統一感(cohesiveness)がなくて、全体像が頭の中に入ってこないのは大問題。おそらくは共著であることも、この問題の原因の一つだろうな。

それでも、企業において研修に携わる人には一読を勧めたいですね。

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