「グローバル人材」と言う言葉をよく聞きますが、「それって何?」と改めて問い直したい人ならぜひ手に取ってみたい一冊がこちら。
単に「社内公用語を英語にする企業が増えた」だけではありません。
震災によるサプライチェーンの分断、そして超円高に背中を押され、企業が海外に進出する(せざるを得ない)時代、ボトルネックは「人材」にあることが多いもの。
いくら日本で優秀だからと言って、文化や監修が異なる外国でパフォーマンスが挙げられるとは限りません。
でも、それってどんな人材?というのを、グローバル経営に詳しいお二方が対談を通して掘り下げていきます。
ちなみに、大前氏は、日本人でも唯一と言っても良いほどの海外で知られたコンサルタント。「ケニチ・オーマエ」の名前は、「ビジョナリー・カンパニー」のジム・コリンズ氏や「コア・コンピテンス」のゲーリー・ハメル氏などと同格で論じられることが多いようです。
そんな大前さんのグローバル人材に対する見方ですから、面白くないわけがないですね。
以下、ポイントを。
●大前研一の情報収集法
私は一日に500ぐらいの記事を読みます。…1週間で3,500。その中から70ぐらいを選んでファイリングして、自分でもう1回書き直す
●日本はなぜすごかったのか
さまざまな経営者たちと一緒に仕事をして感じた結論は、自分たちの能力に限界なんてない、と信じていたこと
●トーマス・ブレークスリー、右脳革命
ダニエル・ピンク、ハイコンセプト
アダムス、メンタル・ブロックバスター
●船川、2.1秒ルール
反射神経0.7秒の3倍
●創造的思考
まずロジカルで分かることは一応整理する。そして、ここまでは分かっているけれども、これは分からない、というところまで一応(自分の頭を)追い込んでおく。それから、自分としては何をやりたいか、どういうものを作りたいかに関して非常に強いプレッシャーをかける。すると、発想が飛ぶ瞬間があるわけです。
●大前、「ロジカルにいうよりもニュアンスで言わなきゃいけない」
船川、「発音より発言、文法より論法、そして語彙より語感」
●グローバル・リテラシー
大前「何よりも大切なのは新しいことを学ぶ心、人の心が分かること、人の上に立てるリーダーシップ、自分の考えをまとめて表現できる能力、多様な価値観を受け入れる力、など普遍的適応性のある人間としての能力を身につけることではなかろうか」
●「日本企業でグローバル人材に取り組んでいるのは1割にも満たない」
野村総合研究所プレスリリース、http://www.nri.co.jp/news/2008/081028.html
●企業のグローバル化5つのステージ (The Borderless World)
第1段階 輸出型:ディーラーやディストリビューターに頼る
2 100%子会社による販売会社の展開
3 鍵となる海外市場で清算、マーケティング、販売を行う
4 開発から販売までを重要な海外市場に移転
5 グローバルベースで再統合をし、国境に関係なく最適化を図る
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