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オンボーディング研修

オンボーディング研修

シンメトリー・ジャパン代表 木田知廣

「オンボーディング」の重要性がますます増しています。

もともとは「船に乗せる」ことから始まったこの言葉、「入社した人が1日も早く職場になじみ、成果を出せるように支援する」活動として世の中に広まっていますが…

実はそこには大きな落とし穴があります。

典型的には「サポート・パラドクス」。周囲の人が気にかけて、「大丈夫?組織になじめた?」と気遣うことが、じつは新たに入社した人にとってはストレスになってしまい、かえってパフォーマンスを落とすきっかけになってしまうのです。

そう、実はオンボーディングにはノウハウがあります。これを知らないと「よかれ」と思ってやったことが、逆効果になってしまうのです。

私たちはこのオンボーディングに関する研修やコンサルティングを提供しています。ご興味をお持ちいただけたら、下記のフォームよりお問い合わせください。

シンメトリー・ジャパン代表木田知廣

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    オンボーディングとOJTの違い

    オンボーディングとOJTの違い

    「オンボーディングとは、新たに組織に参画した人になじんでもらう活動…」と聞くと、「それっていわゆるOJTでは?」と思う方が多いのですが、実はオンボーディングとOJTの違いは、伝える領域の違いにあります。

    OJTで重視するのは、業務知識を伝達すること。もともとが”On the Job Training”ですからその名の通り、仕事で成果をあげるためのトレーニングが中心です。

    一方、オンボーディングでは新たに組織に参画した人の心理的なエンゲージメントを高めること、そして社内人脈を広げていることも視野に入れているのです。

    このような考え方が広まりつつある背景は、「OJTだけでは十分ではない」との認識です。若手が3年で辞めてしまう、転職者がいつまでたっても実力を発揮できない…そのような閉塞感のある組織を打破することがオンボーディングには期待されています。


    オンボーディング・メンター研修

    では、閉塞感を打破するためのオンボーディングは、どのように取り組んだらよいか。

    ここではひとつの例として、新たに組織に参画した人の指導係、「オンボーディング・メンター」になった人向けの研修を紹介します。

    実施内容 詳細
    オンボーディングの
    意義と担当者に必要なスキル
    新たに採用した職員に早期に実力を発揮してもらうために必要なのがオンボーディング。この全体像を概観したうえで、中途採用者が抱える典型的な悩み、そして他社の事例を紹介し成功するオンボーディングの勘どころをつかむ。

    加えて、社会人採用職員向けのメンターになった人に必要なスキルを把握する。新入社員のOJT担当者と重なる点もあるが、相手が社会人経験がある場合、過去の経験をレバレッジして、業務に活かすことにも重点を置く

    1 on 1をマスターする メンタリングにおける中心的な役割を担う1 on 1の実施方法を身に付ける。事前準備から始まり、実際のセッションにおける話しの進め方、クロージング(まとめ方)など、ロールプレイングを交えながら、実際の現場で使えるスキルを体得する。

    加えて、インフォーマルに1 on 1を実施するための「インスタント1 on 1」もその意義と実践法を理解する

    相手に「考えさせる」コーチング 社会人採用者に対しては、一方的な説明ではなく、コーチングによって相手に考えてもらいながら納得度を高める説明が必要になる。前職の「常識」を捨て、貴機構における、もしくは貴業界における「あるべき姿」を認識してもらうためである。これに必要な、相手に考えさせる技術を習得する
    フィードバックの方法論 上述の「考えさせる」技術と表裏一体をなすのがフィードバックの方法論。ポイントは、相手からコミット(やる約束)を引き出すこと。単に、「ここは良かった、あそこは悪かった」ではなく、事実ベースで伝えたうえで、「今後こうする」というプランを設定する

    中途採用者オンボーディングの3か条

    オンボーディング・メンターをつける

    中途採用者のオンボーディングのためのもっとも基本的でお勧めの手法は、「メンター」を選任することです。メンターは「指導役」と翻訳されることもありますが、オンボーディングの場合はそこまで固い位置づけではありません。むしろ中途採用者が「何でも聞ける人」という助言者の位置づけです。

    「困ったことがあったら、上司・同僚に聞けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、それができないのが中途採用者の悩ましいところ。上司にしてみると、「中途採用なんだから『即戦力』。早く成果を上げて欲しい」と思うのは自然なことでしょう。一方、同僚からは、「お手並み拝見」とばかりに、どの程度の実力があるかを観察されています。このような中、中途採用者自らが、「分からないので教えて下さい」と言い出しにくい状況なのです。

    そんなとき頼れるのがオンボーディング・メンター。業務に直接関係ない人になら、比較的心理的抵抗感なく「実は、ここが分からないんだけど」と聞くことができます。もちろん、誰がオンボーディング・メンターになるかの選任は重要です。仕事が出来て中途採用者のロールモデルになれるのは当然のことながら、相手に心理的な支援をする懐の深さも重要です。

    オンボーディングの関係者を増やす

    オンボーディング・メンターをつけたからと言って、それだけでうまくいくほどオンボーディングは簡単ではありません。とくに、メンターだけに頼るのは危険。なぜならば、中途採用者が一番困るのが、ノウハウならぬ「ノウフー (Know Who)」、つまり、社内にどんな人がいて、どんな知識を持っているかが分からないことです。

    逆に言えば、成功するオンボーディングは、必ず中途採用者の社内人脈を広げる取り組みが盛り込まれています。必ずしも堅苦しいものでなくてもいいのです。たとえば、週に1回は必ず他部署の人とランチをとることにして、そのランチ代を会社が補助するというのも有効です。要するに、自部署の中で完結させず、タテ・ヨコ・ナナメにふれあう人を広げることが重要なのです。

    オンボーディングには時間がかかると認識する (ソフトランディング期間)

    冒頭に述べた「サポート・パラドクス」を解消するためにも、職場の全員が「オンボーディングには時間がかかるものだ」と認識する必要があります。期間はズバリ、3ヶ月間。「この期間は組織になじんで、人脈を広げるために使う」と割り切って、過度な期待をしないことを、中途採用者本人にも伝えますし、もちろんその上司にも納得してもらいます。3ヶ月というある程度の期間があれば、周りの人も過度な期待や、あるいはその期待の裏返しである気遣いもしなくなります。

    オンボーディングのメリット

    新卒オンボーディングによる離職の防止

    新卒オンボーディングの最大のメリットは離職の防止です。新卒者が3年以内に退職してしまうことが大きな問題になっていることはご存じの通り。しかも世の中は売り手市場。多大な労力とコストをかけてせっかく採用した人材が辞めてしまうのは、企業にとって大きな損失です。これを未然に予防できるのが新卒オンボーディングの最大のメリットです。

    とくに、「リアリティショック」と呼ばれる、入社前の期待値と入社後のギャップの大きさには要注意です。新卒の採用活動の中で、会社にとっていいことばかり宣伝すると、実際に入社したときには「こんなハズではなかった」となりがちです。それを避けるために、「正しい期待値の形成」が必要です。ある調査によると、オンボーディング活動で仕事の現実を表す映像を見せると、離職率が12ポイントも下がったと報告されています。

    中途採用者オンボーディングによるパフォーマンスの向上

    中途採用者オンボーディングの最大のメリットは、新たに採用した人のパフォーマンスの向上です。中途採用者が新しい職場に配属されたときに「居心地の悪さ」を感じるのは当然です。そしてこれは、パフォーマンスの低下につながります。ただでさえ新しい職務、新しい人間関係で苦労するところに、「居心地の悪さ」によるプレッシャーが加わると、パフォーマンスが落ちてしまうのは想像に難くないでしょう。

    これを避け、パフォーマンスを最大限高めるのが中途採用者オンボーディングの眼目です。

    オンボーディングによる多様性(ダイバーシティ)の向上

    オンボーディングの見逃せない効果として、従業員の多様性の向上があります。多様性(ダイバーシティ)というものは、必然的に「異なる人材を受け入れる」ことが含まれます。ところが、オンボーディングが充実していないと、他のメンバーと異なる人材は職場でいわゆる「浮いた」状態になり、退職しかねません。すなわち、異なる人材であっても「居場所」をつくることもオンボーディングに含まれるのです。

    オンボーディングによるマネジメント能力の向上

    オンボーディングは新卒者、中途採用者を対象に行われるものですが、その過程において既存の社員の関与が求められます。とくに上司。プロパー社員(新卒で入社時から一貫してその組織で働いている人)のマネジメントにおいては、「あうんの呼吸」が通用しませんから、より明確な指示出し、短期間での信頼関係の構築、的確な動機づけなどが求められます。これはまさにマネジメント能力を高めることに他なりません。

    また、中途採用者は「社外の判断軸」を持っています。したがって上司としては、「この部下の前職の上司と比べて、自身のマネジメントスキルはどうなのだろう?」、「自分の管理職としての実力は世間で通用するものなのか」と無意識に自身に問いかけることになり、これもマネジメント能力アップにつながります。

    オンボーディングによるエンゲージメントUP

    オンボーディング施策は、無言のうちに社員にメッセージを送る効果もあります。言葉にするならば、「我が社は社員を大事に扱い、その人がパフォーマンスを発揮するのを手伝う」とでもなるでしょう。これを感じ取った社員は、「組織がそこまで考えてくれるならば、私も頑張って働こう」といわゆる「意気に感じる」状態になり、ここに両思い状態のエンゲージメント<貢献意識>が高まります。

    あるいは、逆の事例を考えるとよりわかりやすいかもしれません。適切なオンボーディング施策を実行していない会社では、中途採用者は「飼い殺し」。せっかくリスクを取って転職したのに、新しい環境でパフォーマンスが上がりません。それを見た他の社員は、「ウチの会社は冷たいよな」と冷めた気持ちを持ってしまい兼ねません。すなわち、オンボーディングがないことによるエンゲージメントダウンにつながるのです。

    オンボーディングの成功事例

    メルカリのリモートワーク対応オンボーディング施策

    株式会社メルカリといえば、フリマアプリでお世話になった方も多いでしょう。しかも、創業からわずか1年後の2014年にはアメリカにも進出し、世界戦略を描いています。この躍進を支えるのが社内に大量にいるエンジニア。中途採用の人も多いため、オンボーディング施策が重要になります。

    面白いのは、オンボーディングに関してもサーベイを実施していること。メルカリと言えばエンゲージメント・サーベイの導入でも有名ですが、同じような数値化とKPI管理をオンボーディングでも行っています。加えて、リモートワーク下においてもオンボーディングを実施しています。るのも特徴的です。具体的には、下記の施策が特徴です。

    • 入社オリエンテーション
    • ポータルサイトによる情報共有
    • メンターをアサインして手厚いサポート
    • リモートランチ

    サイボウズの営業担当者向けオンボーディング

    サイボウズ株式会社は、グループウェアを提供している日本発の企業です。もちろんエンジニアも多いのですが、営業活動を行う社員も多いため、営業担当者向けにもオンボーディングを提供しているところが特徴です。入社後3ヶ月を一区切りとし、その間に必要なスキルを身に付けてもらうのが目標です。具体的には、1ヶ月目には製品の理解を、2ヶ月目には営業の提案力向上を、そして3ヶ月目には販売パートナーとの関係性を学ぶという内容になっています。

    • 「チューター」と呼ばれるメンターをアサイン
    • 営業担当者向けに3ヶ月にわたるオンボーディング研修

    日本オラクルの2担当者制オンボーディング

    日本オラクル株式会社はデータベースやRPAシステムを提供する、アメリカ発のIT企業です。オンボーディングの特徴は、現場の先輩社員がメンターとしてアサインされる以外に、「サクセスマネージャー」と呼ばれる専門部署の人がサポートするところです。

    実は日本オラクルでも、以前はオンボーディングが重視されていなかったとのこと。中途採用は即戦力との認識の下、3日間の研修の後すぐに現場にアサインされていたそうです。ところが、これではパフォーマンスが上がらないことに気づき、2016年1月から「社員エンゲージメント室」を立ち上げ、「全社員の85%が満足していること」を目標として活動が繰り広げられています。とくに重要視しているのが会社の印象が決まる入社後1ヶ月。そのために、営業担当者向けには手厚い研修が提供されているとのことです。

    • 1週目:集合研修により会社・製品の基礎を習得
    • 2週目:設計されたOJTにより、上司からの指導やeラーニングによる研修
    • 3週目:自身が担当する製品の機能などをOJT研修
    • 4週目:第二弾の集合研修で、ロールプレイングなどで学習
    • 5週目:商談やコンタクトの取り方などを練習する研修
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