「個性の強い人を集めてチームを作ったら、素晴らしい業績が上がるのではないか…」。そんな風に思うときに手にとってしまうかもしれないのがビル・フィッシャー教授とアンディ・ボイントン学長の論文、「ヴィルトーゾ・チームの作り方」です。

ヴィルトーゾ・チームとは

「ヴィルトーゾ」とは、イタリア語で「名人芸」を表す言葉で、名人のようなスペシャルな才能を持つ人が集まるチームを「ヴィルトーゾ・チーム」(名人チーム)と著者のフィッシャー教授は名付けました。事例としては、

などがあるそうです。

その働きぶりは、

結成された名人チームは、個々人の能力は申し分はないが、そこにはコンセンサスのかけらもない。とはいえ、仕事を進めていくうちに名人たちもチーム全体の業績を気にするようになる。やがて利己主義から脱却し、一致団結して目標を目指すようになる。つまり、アイデンティティーを共有する強力な連合体に生まれ変わるのである

とのこと。

従来型チームにはない働き方

ヴィルトーゾ・チームは、具体的には下記の観点で従来型チームとは異なるそうです。

スキルによってメンバーを選ぶ

  • 過去の経験とは関係なく最も優れたスキルを持つ人を選ぶ
  • ポジションに応じて適した人を選ぶ

個性を重視する

  • 個性を解放し個々の能力を最大限に引き出す
  • メンバー間の衝突を奨励し、単独で活躍できる場を設ける
  • インパクトを重視して最終案を選ぶ
  • 効率性より創造性を重視する園た

アイディアを重視する

  • ナンバーカード頻繁にアイデアを交換する
  • 画期的なアイディアを期限内に見つけて明らかにする

メンバーが集まり、集中的に課題に取り組む

  • 顔合わせ話し合う
  • 早いペースで課題を進める
  • 包み隠さず

洗練された顧客をターゲットにする

  • 顧客の予想を超えて驚かせる、ハイエンドの顧客に訴える
  • 市場に関する既存の知識は無視する
  • 固定観念を否定する

チームビルディングのカンフル剤

一方、本論文を読み進めると、「ホントにこんなチームあるの?」という疑問も浮かんできました。

事実、筆者たちも、

野心にあふれ、才能豊かな人達がチームメンバーに入ると、組織として機能せず失敗する場合があることが判明した。実際に実態を目の当たりした例もある

と指摘しています。

ただ、そう考えてしまうのは、従来からの思考に縛られすぎているのかもしれないと反省しました。

実際に、冒頭に挙げた事例はホンモノでしょうし、確かに個性的なメンバーが力を発揮したら、それはそれですごいことが起こりそうです。筆者が引用した、米テレビ業界の大物プロデューサーマックス・リーブマンのセリフ、

お行儀のいいチームからは、お行儀のいい結果しか得られない

と言うのも納得できます。

そして、ヴィルトーゾ・チームを機能させるカギは、実はリーダーシップにあるのではないかと思いました。著者が述べるように、

ときには敵役になってでも完全主義を貫き通す人がいる

というのは、これまた従来型のリーダーシップ論に染まっている身には、新鮮です。

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