「チームビルディングの具体的な方法は…」と考えたときに手にとってしまうかもしれないのが池本克之先生のご著書、「今いる仲間で「最強のチーム」をつくる」です。誤解を恐れず簡単に言えば、オフサイトを何回も繰り返すことによってチームワークが高まるというその内容は…。

チームビルディングのためのチームシップ・ディスカバリー・キャンプ (TDC)

著者の池本克之先生が提唱されているのが、Teamship Dsicovery Camp (チームシップ・ディスカバリー・キャンプ:TDC)と呼んでいる話し合いの手法です。その参加者は、

TDCのメンバーは「その課題・目標に関わるメンバー全員参加」が基本となります。参加人数は、最低6人~数百人規模まで実施することが可能です。

とのこと。

時間帯もまちまちで、ショートセッションと呼ばれる4時間のものから、ミドルセッションは6-8時間、ロングは2日間、フルは3日間のセッションを行うとのこと。具体的には、

  1. チェックイン&オープニングトーク
  2. アイスブレイク
  3. 背景の共有
  4. 話し合いルールの提案~承認
  5. 目標設定
  6. 目標唱和
  7. リマインドコールの提案
  8. 課題だし&カテゴリー化
  9. もっとほんとうの課題だし
  10. カテゴリー化
  11. 各グループチェックイン
  12. 各グループの課題洗いだし
  13. 各グループ話し合い内容の発表
  14. 各グループへの質問・提案・リクエスト
  15. 各グループの解決策の検討
  16. 各グループ話し合い内容の発表
  17. 各グループへの質問・提案・リクエスト
  18. 解決策決定
  19. 管理者の決定
  20. 各グループでレベル・期限の検討
  21. レベル・期限提案&決定
  22. リスト化
  23. リストメンテナンスの提案
  24. 活動リリースの提案
  25. 次回の日程確認
  26. チェックアウト
  27. アンケートの配布と回収
  28. 集合写真撮影

という流れで進みます。ちなみに、本書118pには、時間軸も含めたこの流れが紹介されています。

ギャップアプローチとホールシステム・アプローチの両方を使う

上述の流れを見ると、各所に課題だし、カテゴリー化、解決策などの言葉が出てきて、いわゆる問題解決のための話し合いの場という印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、著者の池本克之先生曰く、単純な問題解決だけではなく「ホールシステム・アプローチ」を採り入れているのがTDCが他の手法と異なることとのことです。

従来のマネジメント手法である「ギャップ・アプローチ」は文字通り、目標(理想)と現状のギャップに注目するものでした。これは「特定の担当者」が課題を整理し、組織にとって「足りないもの」をあぶり出し、解決策を設定するという流れになっています。この方式ですと、その課題に関わるスタッフ全員の思いを反映した内容にはなかなかなりません。目標の設定や評価方法によっては不公平感が生まれたりします。

との問題意識に基づき、

課題に関わるすべてのスタッフで話し合い、お互いを理解しながら、目標設定などにつなげていくというものです。(中略)「お互いの理解+目標設定」という2つのパーツが組み合わさってこそ、効果があるということです。

とホールシステム・アプローチを説明しています。

チームビルディングの具体例が欲しかった

著者の池本克之先生は、ご自身がこのTDCを活用してチームワークをよくしたご経験をお持ちとのことです。したがって、実践的な内容ではあるのでしょうが、本書では具体的な例が少ないため、「どうやってやるのか」が見えてこずにモヤモヤ感が残ります。たとえば、上述の15~18あたりの解決策の立案と決定のところでは、

例えば「売上1億円を達成する」という目標に対して、「お客様の数が足りない」という課題が出たとします。この場合は、「がんばってお客様を集める」では解決策になりません。「インターネット広告を出して、プレゼントを訴求して見込み客を獲得する。獲得した見込み客の10%をお客様にする」というところまで落とし込んだものが解決策になります。

と解説されています。しかし、実務においてはその解決策が思いつかない、もしくは思いついたとしても様々ある案の中からどれが最適かが分からずに決められないというのが実情でしょう。これを、具体的な例とともに解説されていると、本書の価値がより上がったのではないかと思います。


画像はアマゾンさんからお借りしました。