「経営陣にもチームワークが必要だ…」。そんなときに手にとってしまうかもしれないのがJ.リチャード・ハックマン教授のインタビューをまとめた論文、「チームワークの嘘」です。

トップチームが機能するために必要なこと

ハックマン教授は著書の「成功する経営リーダーチーム 六つの条件」の中で、世界各国で120あまりのトップチームについて分析した結果を述べています。そのキモはと言えば、

メンバーと非メンバーがはっきり棲み分けられている、つまりチームメンバーが特定されていなければなりません。このように申し上げると「何をばかなことを」と思われるかもしれませんが、チームリーダーになる予定でしたら、まずチームメンバーの顔ぶれについて把握すべきです。

とのこと。実際、ある企業においては能力は高いけれどもチームワークが苦手なCFOを、ボードメンバーから外すという決断をCEOが行ったそうです。結果としてボードはうまく回るようになったとのことで、これが「チームメンバーを特定する」ということの意味合いです。

チーム作りの5条件

上記のチームメンバーを特定する以外にも、同所の中でハックマン教授はチーム作りの5条件というのをあげています。

  1. チームは「リアル」でなければならない
  2. チームには「絶対的な方向性」が必要である
  3. チームには、チームワークを発揮させる仕組みが必要である
  4. チームには、支えとなる組織が必要である
  5. チームには、専門のコーチングが必要である

というのがそれです。1番目の「リアル」でなければならないというのが、前述のメンバーを特定するというもの。他に面白いものとしては、5番目。これは、

ほとんどのエグゼクティブコーチたちは、個人の能力に焦点を当てるが、それではチームワークは大して改善されない。チームの作業プロセス、とくにプロジェクトの開始時、中間時、そして終了時にグループとして受ける、チームコーチングが必要になる

とのこと。CEO、CFOの様なビジネスでのハイパフォーマーにとってもチームコーチングが必要になるとは、ちょっと意外です。

チームワークを機能させる「異端者」の存在

もう一つ面白い発見が、チームが機能するためには時間がかかると言うこと。米国のデータですが、飛行機事故の73%は、乗務員たちが初顔合わせを↓日に起こっているとのこと。要するに、ある程度時間をかけてお互いの強み・弱みを知ったメンバーの方がチームワークを発揮しやすいとの想像が成り立ちます。

もちろん、R&D (Research & Development: 研究開発)のような先端分野を追い求める仕事においては、創造性と新しい視点を失わないために新しい人材を投入する必要があります。それでも、3-4年ごとに一人という緩やかなペースの方が成功に結びつくそうです。

一方で、同じメンバーで「マンネリ」になりそうなときの対策も示されていて、それが「異端者」をチーム内に取り込むことです。

異端者は一歩引いて、冷静な視点から「ちょっと待ってください。我々はいったい全体、どうしてこのようなことをしているのですか。逆の視点で検討するか、あるいは、いっそのこと、反対のことをやってみてはどうでしょう。

と提案する人のことです。このような人がチームにいることで、

同質性を求めるあまり、創造性と学習を抑圧しかねないチームの傾向に抗うことで、チームに貢献する

となるそうです。

teamwork photo

前ページ
第4回 アレックス・サンディ・ペントランド著著チーム作りの科学を読む
次ページ
第6回 ジョン・R・カッツェンバック、ダグラス・K・スミス著チームとグループは異なるを読む
 
  ゲームで学べるチームビルディングのページに戻る