インターネット上では、無料のサービスが花盛りです。Youtubeはみなさんご存じかと思いますが、他にも

 ・ネットを意識することなく文書を保管するドロップボックス(Dropbox)や
 ・超強力ブログを手軽に作れるワードプレス(WordPress)

など、「えっ!これタダなの?」とビックリするぐらい高機能のサービスが無料で提供されています。

一消費者としては便利ですが、「こういう企業って、どうやって儲けてんだろう?」と他人事ながらちょっと心配になってしまいますね。

そんな謎を解くカギがこちらの本です。

クリス・アンダーソン著、フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

評価は
★★★★☆ (お薦めです。買って損は無し)(評価の基準はこちら)

著者の提言は、「インターネット上の情報やサービスはいずれ無料になるんだから、無料サービスをテコにして儲かる仕組みをつくった方が良いんじゃない?」というもの。

これが本当かどうかは疑念が残りますが、それでも本書で紹介された様々なサービスは、新しい儲かる仕組みの出現を感じさせてくれます。

ビジネスをやる側にとっても、新たなビジネスモデルを考えるヒントをいろいろとくれることでしょう。

以下、ポイントを。

●フリーの種類
 直接的内部相互補助
  buy 1 get 1 free
  ジレット
 三者間市場
  広告モデル
 フリーミアム
 非貨幣市場

●ダンバー数
 集団の人数が150人を超えると、相互扶助を監視する社会的絆がゆるみはじめる

●少額課金のワナ
いくらであっても料金を請求することで、心理的障壁が生まれ、多くの人はわざわざその壁を乗り越えようとは思わない。それに対して、フリーは決断を早めて、試してみようかと思う人を増やす

ほとんどの起業家は、需要の価格弾力性が常に存在していることを前提にしています。…これが罠なのです。…実際には売上を5ドルから5000万ドルに増やすのは、ベンチャー事業にとってもっとも難しい仕事ではありません。ユーザーになにがしかのお金を払わせることがもっとも難しいのです。

たいていの商取引には良い面と悪い面があるが、何かが無料!になるとわたしたちは悪い面を忘れ去り、無料!であることに感動して、提供されているものを実際よりずっと価値あるものと思ってしまう。なぜだろう。それは、人間が失うことを本質的に恐れるからではないかと思う。

●フリーを利用したビジネスモデル
1. 無料情報のまわりにコミュニティを築き、ここのトピックスに助言をする
2. そのコミュニティの助けを借りて、人々が欲しがっているものを設計し、助力のお返しに基本機能を持つ製品を無料にする
3. 時間や技術やリスクに対する許容度よりもお金がある人に対しては、有料の機能拡張版を売る(ほとんどの人はこれにあてはまるだろう)
4. この過程をくり返して、黒字にするために4割の利益率を確保する

●潤沢な情報は無料になりたがる。希少な情報は高価になりたがる

●プラットフォームの一つの役割
もはやお金が市場における最も重要なメッセージではなくなり、それに代わってふたつの非貨幣要因が浮上してくるのだ。ふたつの要因はよく「注目経済」と「評判経済」と呼ばれる。…だが、オンラインで起きているユニークな事態は、この注目と評判が測定可能なものになり、日々、実体経済のようになってきていることだ。

●一般的なサイトではトラフィックの1/4から半分がグーグル検索からのものだ。…グーグル経済における中央銀行になっている。つまり、彼とグーグルの社員が通貨供給量をコントロールしているのだ。彼らは通貨の価値を保つように、常にアルゴリズムを微調整している。

●私たちが他人に無償で助言をしたり何かをしてあげたりするその行為一つひとつは、違う状況では誰かが仕事にしているかも知れないことなのだ。突然にプロとアマチュアが同じ注目という市場に立つことになり、両者の世界が競い合うことになった。そして数ではアマチュアがダンゼン、勝っている。

●ソフトウェアについてマニュアルを作ろうと思った動機。最も多い理由は「コミュニティ」だった。コミュニティの一員であることを感じ、その繁栄に貢献したいと思うのだ。

●私たちの脳は、ムダなことに抵抗を感じるように配線されているかのようだ。だが、それは私たちがほ乳類だからであり…動物の世界でもっとも子供の数が少なく…そのため、私たちはムダに関して非常に発達した倫理観を持っていて、気に入らないおもちゃや食べ残しを捨てることに罪悪感をおぼえる。

●海賊版のパラドックス
ファッション業界において、海賊版が存在することにより既存製品の魅力が薄れ、次のシーズンのものが売れる