「運動会で活躍したい…」
と思うのは、どんな子供にも共通した思いでしょう。せめて恥はかきたくはない、というネガティブな思いも含めて。
そんな時に参考になるのがこちら。
深代 千之著、運動会で1番になる方法―1ヶ月で足が速くなる股関節活性化ドリル
股関節・体幹というマイブームの考えが説明されているので紹介します。
評価は
★★★★★ (ゼッタイお薦め。一生ものの価値あり)(評価の基準はこちら)
もちろん速く走るための方法論が解説されていますが、その背後には「科学的な練習をすれば効率的に上達できる」とのコンセプトが流れています。それはまるで名著「上達の法則」のスポーツ版のようなもの。
ただ、足を速くするための方法論としては、これは「諸説」のうち一つなのかもしれないですが。
たとえば、福島大学陸上競技部の川本和久監督は 「ポンピュン走法」の中で足の振り上げの時に大腿筋を意識すると言っているので、本書の提言とは矛盾するのではないかと思いました。
以下、ポイントを。
●腸腰筋は、骨盤の前側の内側にあり、大腿を引き上げる時に使われる筋肉です。
●勝負はシューズ選びから
シューズを長さだけで決めないことです。…横幅にこだわることが、実は大切です。また、シューズの中で指の動きを意識できれば、走る時のキックも強くなります。そのためには、ソックスにもこだわり、五指ソックス…を履きましょう。
●頭で方法論はわかっても”筋感覚”をつかまないと正しく走れない
まったく同じに見える動きにも、筋肉の使い方が違っていることがある
●脚を股関節で引っぱるように前から後ろへ運ぶ”競歩”の動きが、短距離走の正しい脚のふり戻しに近しいことに着目しました…膝をまっすぐに伸ばしたまま腰の下まで持ってくると、どうしても体が上に持ち上げられます…そこで骨盤を柔軟に使って、伸ばした足の反対側の腰を下げることで、上半身の上下動を吸収するようにします。
●ピッチは幼児もカール・ルイスも同じ ということはストライドが違う
●速く走るための股関節ドリル
ベーシック編
まっすぐ走る
腕ふり
ホッピング
モモ上げ
股関節上下運動
ストライド型ステップアップ編
かかと引きつけ
その場かけ足
ピッチ型ステップアップ編
フライングスプリット
大また走
●子どもたちに指導してわかったのは…同じ動作を繰り返し教える場合に、着眼点を変えて説明してあげると、子どもたちも飽きずに取り組むことができます。ただし、ドリルのポイントの説明は、1回につき一つにしてください。複数のことを説明すると、子どもたちは混乱してしまいます。
●練習とトレーニングという言葉は、きちんと使い分けられるべきです。脳・神経系を改善する、巧みになる働きかけが「練習」であり、呼吸・循環器系や筋系を向上させる、体力を高める働きかけが「トレーニング」なのです。