後進の育成って難しいですよね?
職場で部下や後輩の指導に悩まれている方も多いかと思いますが、相手が「人」だけになかなか画一的な手法が通用しないので悩ましいものです。
そんな方にぜひ手にとって欲しいのがこちら。
福澤 英弘著、人材開発マネジメントブック―学習が企業を強くする
本書の素晴らしいのは、実務と理論の橋渡しをしてくれているところ。
そう、実は人材の育成には様々な理論があるのですが、意外と知られていないのです。
もちろん、冒頭の問題提起のように相手にあわせて個別の対応をしなければならないのですが、でもそれは基本である「理論」を知った方がうまくできます。
この分野に疎い方にも、ぜひ一読をお勧めしたいですね。
人材育成のフレームワーク
●カッツ
テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル
●ガニェの学習の5要素
知的技能、認知的方略、言語情報、態度、運動技能
●福澤の能力の4要素
知識、スキル、メタスキル、態度
●脳科学の世界での学習とは、「外部環境に適応すべく、それに必要とされる脳神
経(ニューロン)の新たな接合を作り出すこと」
●シャインのキャリアアンカー
技術的・職能的能力、管理的能力、保障・安定、創造性、自律・独立
●ID(Instructional Design)のADDIE(アディー)モデル
Analyze
Design
Development
Implement
Evaluate
●階層別研修→選択型研修→選抜型研修
研修の意味合いと選択のポイント
研修の意味合い
組織にとっての正しい知識を転移する場(学習転移モデルから)
経験から学ぶことを支援する場(経験学習モデルから)
常に批判的に思考する癖を確認、習得する場(批判的学習モデルから)
現場で実践しながら学ぶ活動を支援する場(正統的周辺参加モデルから)
意識合わせと意欲を高める場
研修会社を選ぶポイント
自社のプロジェクトに責任を負う、権限を持つ顧客担当責任者が明確になっている
か
自社の要望を積極的にヒヤリングし、その内容が研修の設計に活かされているか
担当する講師と直接コミュニケーションをとることを促すか
毎セッション必ずアンケートをとり、その評価を次回以降のセッションに活かす仕
組みがあるか
講師の4タイプ
知識授与
先生 研究者
構造化重視 流れ重視
ファシリテーター コーチ
知識・思考を引き出す
西田のファシリテーターの条件
主体的にその場に存在している
柔軟性と決断する勇気がある
他社の枠組みで把握する努力ができる
表現力の豊かさ、参加者への反応の明確さがある
評価的な言動はつつしむべきとわきまえている
プロセスへの介入を理解し、必要に際して実行できる
相互理解のための自己開示を率先できる、開放性がある
親密性、楽天性がある
自己の間違いや知らないことを認めることに素直である
参加者を信頼し、尊重する
効果測定とビジネスへのインパクト
ウェンガーの実践コミュニティーの3条件
相互の従事(Mutual Engagement)
共同の事業(Joint Enterprise)
共有された集積物(Shared Repertoire)
カークパトリックの教育効果測定のレベル4フレームワーク
反応
学習
行動変容
ビジネス・インパクト
ジャック・フィリップスの教育効果測定のROIモデル
反応
学習
行動変容
ビジネス・インパクト
ROI
評価の目的
到達度の評価
投資効果の評価
改善点の抽出
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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