米国経済が力強さを増してます。
でも、その強さの源泉ってどこにあるのでしょう?
日本だってひと頃はアメリカを追い抜いたのに、いつの間にやらアメリカに遠く引き離されて、いわば「周回遅れ」になってしまっている現状は、狐につままれたような感があります。
その、米国(経済/企業)の強さの理由を、革新的なビジネスモデルを生みだす人材に求めて、どの様にビジネスマンの教育がなされているのか?という疑問に答えてくれているのが本書です。
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
え?従業員の教育って、日本の法がよっぽど手厚いんじゃないの?
そうだったかもしれません。
あるいは、単に手厚い/手厚くないと言う議論ではなくて、
・米国は一部のエリートに教育を含めたリソースを集中投資
・日本は、多くの社員に広く薄く教育機会を配分
という違いなのかもしれません。
ところが、と本書は説きます。
近年の米国企業における研修では、それも変わっているのだ、と。
とくに、近年の米国の企業研修の新たな流れを、
・ジョブからコンピテンシーへ
・組織学習から学習組織へ
・教育からアクション・リフレクション・ラーニングへ
・ダウンサイジングからHPWS(High Performance Work System)へ
という、「ラーニング・シフトの四大潮流」に整理したところを読むと、よく分かります。
というのは、単なる「研修のための研修」ではなく、目的や背景を押さえた上で、企業のニーズをくみ取る形でラーニング・シフトが起こったというスタンスをとっているので、目的→手段という構造を読みとりやすいからです。
第四章の、日本企業への提言のところでは、ともすると議論のフォーカスが定まらなくなってしまっていますが、総花的にあれもこれも言いたかったのでやむを得ないところでしょうか。
従来型の研修に行き詰まりを感じている方は、一読してみてはいかがでしょうか?
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