海外赴任が発令されてから任地に赴き帰国するまでを網羅した良著が、「海外赴任リロケーションガイド」です。
海外赴任で一番気になる安全面
海外赴任で一番気になるのはやはり安全面でしょう。統計によると年間で海外で被害に遭った日本人の人数は4,990人。いつ自分に降りかかってくるかは分かりません。たとえば、大きな被害が出た事件として、下記があげられています。
- 法人に対するテロ事件(アルジェリア)
- 邦人殺害テロ事件(シリア)
- 銃撃テロ事件(チュニジア)
- バンコクにおける爆発事件(タイ)
- カリフォルニア州における銃撃テロ事件(アメリカ)
- ジャカルタにおける爆発・銃撃事件(インドネシア)
- ブリュッセルでの爆発事件(ベルギー)
- クアラルンプール市郊外における爆弾テロ事件(マレーシア)
- ダッカ襲撃テロ事件(バングラデシュ)
- タイ中部・南部の複数個所での爆発事件(タイ)
安全面への配慮だけでなく楽しむべき海外赴任
ただ、安全面だけを気にすると、せっかくの海外赴任の機会が十分に活かせません。むしろ、楽しむことも重要と本書では提言されています。たとえば、アメリカに海外赴任した人の話が紹介されています。
1年目ってやっぱり大変。だからこそ、2年目、3年目…面白くなってきた。
海外赴任で気になるお子様も、
幸い、2年生に進級してからは、すぐに新しい友だちができたり、英語も徐々に理解できるようになって、慣れて入ったんですが。それで一つ、転機があって。クラスに日本人の新入生が入ってきたんです。ようやく英語も分かってきたのに、言葉がごちゃごちゃにならないかな…と、ちょっと心配したんです。でも、「明日はこれ持ってくるんだよ」とか、「課題はこれだよ」とか、英語から日本語に通訳して、園子を手伝ってあげるようになったんですね。
海外赴任に同行する子供こそ、一番楽しむべきなのかもしれません。
便利な海外赴任準備チャート
本書の冒頭には、時系列に沿ってどんな準備をすべきかを一覧でまとめた海外赴任準備チャートがあります。たとえば、「引っ越し」を例にこの流れを見てみましょう。
始まるのは3ヶ月前から。「引っ越し業者選定と計画」から始まります。その後、引っ越し荷物の仕分けになりますが、ここはさらに細かく分かれて、
- 国内においていくもの
- 航空便で送るもの
- 処分するもの
- 船便で送るもの
- 携行手荷物にするもの
- その他
となり、これを2ヶ月前から1ヶ月前に行うとのこと。その後、2週間前にはガレージセールと粗大ゴミ処分など業者依頼、そして1週間前には国内引っ越しの搬送、トランクルームへの搬送などが続きます。
このように、実際の海外赴任を事細かに解説してくれるのが本書の魅力です。
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