自身の組織に心理的安全性あるでしょうか?そんな風に質問されるとちょっとドキッとしますよね。でも大丈夫です。実は、心理的安全性があるかないかをチェックするための7つの質問というものがあります。
心理的安全性を測定する7つの質問
- If you make a mistake on this team, it is often held against you. (このチームでは、ミスをしたら批難されることが多い)
- Members of this team are able to bring up problems and tough issues. (このチームのメンバーは、課題や困難なイシューでも提起することができる)
- People on this team sometimes reject others for being different. (このチームの人たちは、異質なものを排除する時がある)
- It is safe to take a risk on this team. (このチームなら、安心してリスクを取ることができる)
- It is difficult to ask other members of this team for help. (このチームでは、他のメンバーに助けを求めにくい)
- No one on this team would deliberately act in a way that undermines my efforts. (このチームには私の努力をわざと矮小化するような人はいない)
- Working with members of this team, my unique skills and talents are valued and utilized. (このチームのメンバーと仕事をする中で、私のスキルと才能は尊重され役に立っている)
情報源:A Edmondson, Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams, Administrative Science Quarterly, Vol. 44, No. 2 (Jun., 1999), pp. 350-383
これは「本家」ともいうべき、ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン先生が提唱された質問です。ちなみに、余談ですけれども「本家」っていう言葉が出てきましたが、実は元々心理的安全性を提唱されたのは、ここに出ているエドガー・シャイン先生だったんですね。1960年代だと思います。それを、最近エドモンドソン先生が改めて提唱しているという流れになります。はい、じゃあさっそくですけれども、この7つの質問ですね、見ていきたいと思います。
心理的安全性をチェックするためのポジティブ・ネガティブ質問
改めまして、こんにちは。シンメトリージャパン代表の木田知廣です。早速ですけれどもまずは一つ目です。「このチームではミスをしたら非難されることが多い」。あれっ?と思われてましたよね。そう実はエドモンドソン先生、すごく工夫されていて、質問を単純じゃなくてちょっと凝った作りにしています。
ポジティブ質問とネガティブ質問に分けているんです。ネガティブ質問というのは実はこの一番の質問もそうですけれども、スコアが低ければ低いほど心理的安全性が高いよねっていう感じです。逆転の発想の質問ということになります。
つまり、先ほどの質問に戻ると、ミスをしたら非難されることが多いチームはこの数学のスコアが高くなります。そうすると、逆に心理的安全性が低いという観点で、「ネガティブ質問」です。
さあ、お次へ行きますけれども、それがこちら。「このチームのメンバーは、課題や困難なイシューでも提起することができる」。困ったことがあって課題があるんだけど、このチームならば、こんな課題があるじゃないですかっていう風に提起することができる、ということです。今度はポジティブ質問ですから、スコアが高ければ高いほど心理的安全性が高いということになります。
では、次も行ってみましょう。今度は3つ目の質問です。「このチームの人たちは異質なものを排除する時がある」。そうですね、もちろんネガティブ質問です。つまりスコアが低い方が良い状態です。では、4番目の質問です。「このチームなら安心してリスクを取ることができる」。もちろんポジティブ質問ですからね。リスクを取ることができるのであれば、心理的安全性が高いということになります。
そう言われても難しい心理的安全性
五つ目にいきますけれども、「このチームでは他のメンバーに助けを求めにくい」。ネガティブ質問ですね。そう、ポジティブ質問とネガティブ質問が交互に現れるんです。調査をするときに、無意識のうち勝手に丸とかつけたりしていると、あっという間に心理的安全性がないのがばれてしまう。質問を受ける方も、注意深く考えなければいけないというような仕立てになっています。これはネガティブ質問ですから、スコアが低ければ心理的安全性が逆に高いことになります。
では、6つ目。「このチームには私の努力をわざと矮小化するような人はいない」。英語で言うと。undermineと言いますけれどもね。頑張っている人を見て、いやあなたのやってることは、大したことないんだよね、わかる?みたいに言う人はいないよねと言うチェック項目です。
最後の7つ目の質問です。「このチームのメンバーと仕事をするなかで、私独自のスキルあるいは才能は尊重され役に立っている」。もちろんポジティブ質問です。高ければ心理的安全性が高いということになります。
ちなみに情報源も掲載しておきますので、もしも詳しく知りたい方はこちらの論文をお読み頂ければと思います。個人的な感想としては、ちょっと難しい質問が多いかなというような気はします。たとえば最後の、「このチームのメンバーと仕事するとき、私独自のスキル才能を尊重されている」なんてそうです。
自分が聞かれたとすると、どうかなぁ、そうは言っても…みたいに思っちゃうところがあるんです。けれどもそうはいっても、本家のエドモンドソン先生の発案になりますので。参考にしていただければと思います。
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