前編中編に続いて、世古詞一先生のご著書、「シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―」をレビューします。

1 on 1では部下を顧客に見立てる

実際に1 on 1を始める時、当然部下との面談のスケジューリングをします。ただ、普通の会議のようにしてはダメとのこと。むしろ、

大事なお客様とのアポイントのように丁寧に

部下に依頼することが大事だとのこと。つまり、

  • 要件を説明してアポイントを取る
  • 当日成果が出るように準備する

というダンドリになります。

この、「部下をお客様に見立てる」というのは、1 on 1を理解する上で分かりやすいたとえ<アナロジー>かもしれません。というのは、部下の「個人データベース」を作ることの重要性も説かれているためです。

毎回部下の情報を蓄積してアップデートを行い、この情報をもとに、分析して新たな行動につなげていきます。

となるのです。これはまるで、お客様とのコンタクト履歴を蓄積するCRM (Customer Retention Management)のようなものです。これによって、継続的にレベルの高いサービスを提供することができるのです。

1 on 1ミーティングは4分割で臨む

では、実際の1 on 1ミーティングの時間の使い方を見てみましょう。著者の世古詞一先生は、時間配分を4分割して下記のように使うことを提唱しています。

時間配分 (分) 内容 1 on 1実践マップの該当テーマ
0 – 5 アイスブレイクと体調確認 1. プライベート相互理解
2. 心身の健康チェック
5 – 10 前回のおさらいと承認 3. モチベーションアップ
10 – 25 今回のテーマ ケースにより4-7の各テーマ
25 – 30 今回のまとめとアクションプラン(宿題)の確認

ちなみに、上述の部下のCRMは、この2番目の「前回のおさらい」のところで効いてきます。そしてもちろん、アクションプランもCRMに書き込むことで、忘れることがないようになるわけです。

ちなみに、アクションプランは、「一つだけ」決めるのがこつだとのこと。やりたいこと、やるべきことはさまざまありますが、「あれも、これも」ではかえって良くないと言うことなのでしょう。

1 on 1を続ける3つの心構え

本書では、1 on 1を続けるコツも紹介されています。たしかに、これだけの準備をして始めても、三日坊主でうやむやになってしまうのはもったいないでしょう。具体的には、下記のポイントです。

  • 部下に1 on 1を主催してもらう
  • 定例以外でも1 on 1を行う
  • 1 on 1の「6つのレベル」で質の向上を楽しむ
  • 部下を「しらけさせない」ことに気を配る
  • 3つの心構えで1 on 1に臨む

この中から、「3つの心構え」を解説します。これは、

  1. 5勝5敗でよいと思え
  2. カッコつけない
  3. 「正しい」ではなく「楽しい」を目指す

からなります。いずれもなかなか難易度が高いものですが、とくに「楽しい」に関しては実践が困難と感じました。それでも、

一生懸命になりすぎると「こうあるべき」という想いが強くなり、「正しい1 on 1」をしようと堅い雰囲気になりやすいのです。はじめはとにかく、部下に1 on 1に悪いイメージを持たせないことが大切です。

というのは、納得感があります。ただ、そうは言っても、そりが合わない部下はいるわけで、それにどう対応するかという問題はありますが…。

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