「ビジネスで、数字の話が出てくるとイヤになってしまう…」。そんな悩みをお持ちの方が手にとってしまうかもしれないのが安藤広大先生のご著書「数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法」です。
ちなみに「数値化」と言っても会計の話ではありません。KPI (Key Performance Indicator)やPDCAなど、「数値化によるマネジメント」が大きなテーマです。
数値化の鬼の口癖
著者の安藤広大先生は、ビジネスパーソンとして急成長する人には共通点があり、それが
数字と向き合う回数が増える
と提唱しています。それどころか、
数字に向き合わずに成長できる人は、誰ひとりとしていません。
といいきっているぐらいで、数値化のスキルの必要性を説いています。具体的には、会話の中に数字が出てこない人は、
・これを売りたいんです!
・このビジネスはうまくいきます!
という言葉をよく使うとのこと。しかし、
現実にはそれだけではダメです。(中略) 30代や40代で、こういう情熱的な言い方しかできない人は、社会人としてかなり厳しい状態になっていきます。
とズバリと指摘されています。
数値化の鬼への5ステップ
では、どうやったら「数値化の鬼」になれるのか。そのための5ステップが下記です。
- 行動量を増やす:自分の行動の数を正確に数える
- 確率の罠に気をつける:割り算による安心感の罠に気をつける
- 変数を見つける:仕事の中で何に集中するかを考える
- 真の変数に絞る:無駄な変数を削り、さらに重要な変数に絞り込む
- 長い期間から逆算する:短期的と長期的、2つの軸で物事を見る
この中から、2番目の「確率の罠に気をつける」を見てみましょう。
ビジネスを数値化する際、確率、もしくはパーセンテージを使うのはよくあります。例えば成約率。しかし、成約率が80%の人と50%の人、どちらの方がすごいでしょう?というとき、80%を選んでしまうのが確率の罠とのこと。
仮に成約率80%の人が10件中8件の契約を取り、成約率50%の人が50件中25件の契約を取っていたとすると、契約数自体は後者の人が多いので、こちらが評価されるべきだというのが著者の安藤広大先生の言い分です。この背後には、そもそもとして行動量が重要であるとの考え方があり、
あくまで「行動量ファースト」であり、それをキープしたまま「確率も上げていく」というのが正しい順番です。
とのこと。つまり、
「量」よりも「質」が上回り、「質を上げること」が目的になってしまうことは大問題です。
とのことなのです。
数値化の鬼が見つけるビジネスのキモ
では3番目の「変数を見つける」を見てみましょう。
「仕事のどこを変えればいいのか」。これを考えるのが、言わば仕事の醍醐味です。思いつくままにテコ入れするのではなく、1つにフォーカスし、問題を解決する。(中略)そのためには、目の前で起こっていることの裏側にある「数字」を見つけなくてはなりません。
というのが著者の安藤広大先生の主張です。具体例として、お客様への営業におけるプレゼンが示されています。レイアウトやデザインに多大な時間をかけたのに、成果(=受注)には結びつかない。
それは、「プレゼン資料の『完成度』が『変数』ではない」からです
と理解されます。むしろ、最初の10秒で結論を述べるようにして、プレゼンの「伝え方」が変数であったと発見することが重要とのこと。
要するに、ビジネスを成功に導くために大事なことは何かが「変数」という言葉で説明されています。
画像はアマゾンさんからお借りしました。
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