「リモートワークで傷ついた従業員エンゲージメントを高めたい…」。そんな問題意識を持つ人が手にとってしまうかもしれないのが広江朋紀先生のご著書「エンゲージメントを高める場のつくり方」です。

リモートでも高められる従業員エンゲージメント

著者の広江朋紀先生が従業員エンゲージメントを高めるために提唱するのがイベント・フォーカス・マネジメントというものです。要するに、イベントをやることで人心を掌握しましょう、と言うことでしょう。そして、このイベントはリモートワークでもできるというところがポイント。というか、実はリモートにはリモート特有のメリットがあります。それが下記の4つ。

  • 公平性
  • 迅速性
  • 拡張性
  • 自己同一性

この中から、公平性を見てみましょう。Zoomなどを使う場合、

ギャラリービューと呼ばれる参加者がタイル状に並ぶ状態です。ここには、職場にあった席の序列や距離感がありません。職場であれば、上位役職者には専用の個室が用意されていたり、イスの材質や机のサイズが異なっていたりと何らかの違いがあることが多いものですが、オンラインの場には、新人でも役員でも皆、公平でフラットな環境で臨むことができます。

とのこと。確かにこれは重要で、上位者が一方的に自分の考えを伝えるだけでは、従業員のエンゲージメントが高まりにくいのは想像できます。そうならない特性を持つリモート環境はメリットがあると言えます。

エンゲージメント再構築はステージごとに分かれて

従業員エンゲージメントを高めるためには様々な手を打つべきですが、その際には組織のステージごとによくある症状を理解した上で計画することを著者の広江朋紀先生は提唱されています。具体的には、下記がステージごとの典型的な問題症状です。

  • 再生ステージ:無力感、既結感の蔓延
    • 全社:セクショナリズム横行症
    • ミドル:マネジメント閉塞症、組織ルール形骸症
    • 現場:既結感疲弊症、顧客視点欠落症
  • 多角ステージ:縦・横の距離感の拡大
    • 全社:アイデンティティ喪失症
    • ミドル:マネジメント画一症、組織ルール硬直症
    • 現場:既存事業疲弊症、全社視点欠落症
  • 拡大ステージ:組織の複雑性の拡大
    • 全社:経営トップ依存症
    • ミドル:マネジメント不全症、組織ルール不足症
    • 現場:業務過多疲弊症、長期視点欠落症

エンゲージメントを高めるイベント設計法

著者の広江朋紀先生は、従業員エンゲージメントを高めるためには、イベントの設計にあたって「ストーリー感」を重視すべきと提唱されています。具体的には、下記の6ステップです。

  1. 非日常感「わくわく」=空間のマジック
  2. 没入感「ぎゅっと」=時間のマジック
  3. 緊張感「ぞくぞく」=目標のマジック
  4. 安堵感「ほっ」=安心のマジック
  5. 使命感「ぶるぶる」=習慣のマジック
  6. 一体感「どきどき」=集団のマジック

なお、イベントもいいのですが、その前に「エンゲージメントが落ちている原因は何か」をサーベイで調べることが重要と感じました。


画像はアマゾンさんからお借りしました。

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