「ビジネスのコミュニケーションでは、論理的<ロジカル>さが大切だ…」
良くいわれることですが、これ「だけ」ではないと私たちは考えます。
ロジカルさはもちろん大事ですが、組織の一員として働く場合、「人を巻き込み、組織を動かす」ことも必要なのは、ビジネスパーソンであれば日々感じていることでしょう。そう、
ビジネスコミュニケーション=論理<ロジカル>+心理<サイコロジカル>
というのが成功の黄金律です。
この、論理と心理、それぞれを体系化したのが「標準ビジネスファシリテーターモデル」です。全体像を押さえたうえで個々の要素を以下で解説します。
全体像
論理<ロジカル>の全体像を表すビジネスファシリテーターBase
心理<サイコロジカル>の全体像を表すビジネスファシリテーターEdu
ビジネスファシリテーターBase
ひと言で言うと…論理的な主張をするためのスキル
モノゴトを筋道立てて考えたり(ロジカル・シンキング)、自分の意見を論理的に主張するための技術です。下記の一覧にマウスを載せると詳しい内容が表示されます。これを伝授するロジカル・シンキング・セミナーも開催しています。
論点の範囲 | 事象の分解 | 事象の統合 | フレームワーク思考 | 仮説思考 |
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ビジネスファシリテーターEdu
ひと言で言うと…分かりやすい説明・教え方のスキル
社内で部下や後輩に何かを教える、お客様や社員向けの説明会を主催する、あるいはセミナーでの講師など、相手から納得と共感を引き出す技術です。下記の一覧にマウスを載せると詳しい内容が表示されます。これを伝授する講師養成セミナーも開催しています。
基本
気づきの形成 | 聞き手の理解 |
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方法論
場作り | 聞き手のコントロール | 分かりやすい説明 | プレゼンテーション |
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ビジネスファシリテーターMeeting
ひと言で言うと…会議を効率的に仕切るスキル
社内の打合せや顧客との商談などで司会を務め、効果的な運営をするための技術です。下記の一覧にマウスを載せると詳しい内容が表示されます。
会議の仕切り | 合意の形成 | 議論の発散 | 議論の収束 |
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ファシリテーションを学ぶ「株式会社スロービズ」の世界
コミュニケーションの技術としてのファシリテーションは「使ってナンボ」ですから、理屈だけを知っても意味がありません。「分かった」知識を「出来る」ようになるために、ストーリー形式でファシリテーションを学べる書籍、メールマガジンを提供しています。舞台になっているのが、「株式会社スロービズ」。実際の主人公になったつもりで読めば、スキルアップ間違いなし。
株式会社スロービズとは
創業者の堀越一哲が15年ほど前に起こした会社で、メイン商品のダイエット食品「ミルミルスリム」を始めとして、健康食品業界では圧倒的なブランドを誇っている。売上もほぼ横ばいとはいえ安定しているし、新規事業をやる必要性を感じているのは300人を超える社員のうち一割もいないだろう。
一方、創業時の本業であった清涼飲料事業は、相変わらず泣かず飛ばず。とはいえ、その頃入社したメンバーが社内で大きな権力を持っているのが、将来的には問題になるかもしれない。
新規ビジネスとして社内から発案された「スロービズ食育カレッジ」は、これから要注目。
スロービズ社の組織
営業部
最古参の社員でもある武田部長率いる営業部は、清涼飲料を流通業者(卸)に取り扱ってもらうことを主な役割としている。創業時のメンバーが多く、会社の発展を支えてきたとのプライドが高い。スロービズの成長を加速させたマーケティング部主導による健康食品事業への参入に対しては、反発も感じている
マーケティング部
ダイエット食品「ミルミルスリム」を大ヒットさせた革新的なマーケティング手法をもたらしたのは、中途入社の織田部長。部下に「猛将」とあだ名される「猪突猛進型マーケター」柴田課長や、「成り上がり」と陰口をたたかれることもある、高卒入社だがバツグンのセンスでマーケティング部を引っ張る木下君を率いて、これからもスロービズの屋台骨を担っていきそうな気配だが…
製造部
部長の徳川さんはキッチリと仕事をやるのは良いのだが、スピード感がないのが玉にきず。右腕の本多課長がいろいろと気を回すからこそ、製造部は機能しているというウワサもある。
広報部
良くいえば社長直轄で動いている、悪く言えば社長の腰巾着とも取られない足利部長。「美人広報」と自称する「オトベちゃん」こと音部藍子室長のがんばりがカギか。
※人名は、戦国時代末期の武将/謀将をイメージして付けています(食育カレッジチームを除く)。それぞれの名前から、キャラも想像してみてください。
「クリーム・ウーロンソーダ」異物混入事件
事件の概要
スロービズ社のソフトドリンク部門の戦略商品、「クリーム・ウーロンソーダ」に異物が入っていると言う事件は、消費者からのクレームによって始まった。お客様相談センターに寄せられたその電話の主は30代の男性。ペットボトルの中にプラスチック片が入っていたと告げる冷静な声は、スロービズ社に謝罪だけでなく、今後の対応を連絡することを要求している。はたして、スロービズ社の対応は…!?
詳しくは、毎日届くメールマガジン「ビジネス・ファシリテーター養成講座」で。
背景
スロービズ社にとっては創業時の「本業」であるソフトドリンク部門だが、サプリメント部門の活躍に比べて影が薄くなっている。その原因は昔ながらの卸を通した営業にあるとにらんだ織田マーケティング部長が仕掛けた戦略商品が「クリーム・ウーロンソーダ」である。ウェブマーケティングの手法を徹底的に取り入れて、商品企画の段階からユーザーの声を集め、ソーシャル・メディアによって口コミ的に人気をあおろうという目論見だったが、その出鼻をくじくような異物混入事件が起こってしまったのは、マーケティング部門にとって大きな痛手だ。
一方、ソフトドリンクという自分たちの「領域」をクリーム・ウーロンソーダによって犯されたと感じる営業部門は、今回の異物混入事件に対して極めて冷淡。いや、それどころか、これを機会に織田マーケティング部長の非をあげつらい、失地回復を目指す動きもあるようだ…
対策会議アジェンダ
┌──────────────────────────────
│マーケティング部の木下です。
│
│皆様ご存じの通り、一昨日、新発売のクリーム・ウーロンソーダの
│ペットボトル内に異物があったと客様よりクレームをいただいて
│しまいました。
│
│つきましては、その対策を講ずるべく、会議を開催したいと思いますので、
│ご出席をお願いします。
│
│お客様の信頼を回復するために、他社事例も参考にしながら早急に
│全社で取り組むべき課題と認識しております。
│
│クリーム・ウーロンソーダという戦略商品の成長を確保するためにも、
│ご協力いただければ幸いです。
│
│●開催要領
│ -日時:20XX年12月XX日 13:00 – 14:30
│ (早く終わったらその時点で散会します)
│ -場所:本社301会議室
│ -参加者:広報室より音部室長
│ 製造部より本多課長
│ 営業部より武田部長
│ マーケティング部より柴田課長、木下 (議事進行)
│
│●議題
│ -これまでの状況説明 (木下、情報共有)
│ -異物混入の原因と対策 (本多課長、情報共有)
│ -他社のクレーム対応の事例紹介 (音部室長、情報共有)
│ -今後の対応の検討 (アイデア出し)
│ -役割分担の決定 (意思決定)
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登場人物(50音順)
明智英彦
マーケティング課員
MBAホルダーであり、頭の良さと知識量ではスロービズ社内でもピカイチと言われている。一方で、ともすると評論家的な立ち位置をとることも多く、これがやがて彼に悲劇をもたらすことになる
名前の由来は明智光秀
織田弾正 (おだだんじょう)
マーケティング部部長
健康食品の販売にウェブ・マーケティングという「飛び道具」を持込み業績を飛躍させた立て役者。明晰な頭脳と社内の反対を押し切っても物事を進める推進力は折り紙付きだが、一方で人の反感を買うことも。とくに、スロービズ社創業のビジネスであるソフトドリンク事業を担う営業部とは折り合いが悪い。
名前の由来は戦国武将の織田信長
音部藍子 (おとべあいこ)
広報部広報室長
木下冬樹 (きのしたふゆき)
マーケティング部課員
良く言えばにぎやか、悪く言えばおっちょこちょい、そんな言動でマーケティング部のムードメーカーとなっている人気者。実は、アイデアの構想力、人を巻き込んでの実行力など、その能力は計り知れないのだが、あえてお調子者というポーズをとるのは、スロービズ社内では珍しい高校卒という学歴を気にしているのかもしれない
名前の由来は戦国武将の木下籐吉郎(豊臣秀吉)
柴田勝也
マーケティング部課長
織田部長の推進するウェブ・マーケティングの実行を担う。とくに、心理学を駆使して顧客の心の奥底にある欲求を暴き出すその手法は、まるで仮面をはがして素顔をさらけ出すようなもので、「仮面割りの柴田」という異名をとる
名前の由来は柴田勝家
武田信晴
営業部部長
社長の堀越一哲がスロービズ社を起こしたときから参画した最古参の社員。京都の中小ソフトドリンクメーカーを今日まで支え続けてきたという自負はダテではなく、スロービズ社の営業マンは火を吹いたような勢いでお客様にアタックするとの評判がある。だが、その営業手法は今となっては古くさい、との批判もあびる今日この頃だが…
名前の由来は戦国武将の武田信玄
徳川次郎
製造部部長
営業やマーケティングが脚光を浴びがちなスロービズ社内で、黙々と製造現場を統括する。目立った活躍がないために社内ではあまり評価されていないが、「スロービズ社はゼッタイに納期を守る」、「製品のクオリティならあそこだ」と、社外からは実は一目置かれている
名前の由来は戦国武将の徳川家康
丹羽五郎
マーケティング部係長
織田部長率いるマーケティング部においては、ともすれば「ボンクラ」と評価されがちだが、果たしてその実力は?
名前の由来は戦国武将の丹羽長秀
本多正行
マーケティング部課長
名前の由来は、徳川家康の謀臣と言われた本多正信
スロービズ食育カレッジ
概要
株式会社スロービズの飛躍を支えてきた健康食品事業だが、誇大広告の禁止など、規制強化によりその将来には暗雲が漂う。新たな収益の柱を探るプロジェクトチームが提言したのが、「食育」をコアとする「スロービズ食育カレッジ」であった。
これを本格的に事業化するか否か、成否は社長へのプレゼンテーションにかかっている。果たして、結果は…!?
登場人物
- 青木健太郎
プロジェクト・リーダー。責任感もあって勉強熱心、とくに論理的に考える力は、自分でも秘かに自信を持っている。だが、反面頭の固いところもあり、このプロジェクトで一皮むけるかが、真のリーダとなる分かれ目である。 - 小沢豪一郎
健太郎の上司。成果をあげるためには手段を選ばない仕事ぶりから「豪腕」という異名をとるが、その分社内では敵も多い。論理思考を勉強している健太郎のような社員は生意気に見えるらしく、今回のプロジェクトへの任命も、何か裏がありそうだが… - 宮城亮太
プロジェクトチームの最年少メンバー。キックオフミーティングではさっそくリーダーの健太郎にくってかかったが、その後和解をし、いつの間にか「ケンタローさん」、「リョータ」と呼び合うホットラインが完成する。身長(169cm)の割りには名前が売れたバスケットマンで、インターハイ優勝者(らしい)
「中間報告」前夜
プロジェクトが発足して1ヶ月…
屈辱的なキックオフ・ミーティングを経てようやく軌道に乗ったプロジェクトは、中間報告を1週間後に控えていた。「豪腕」と異名をとる上司の小沢課長から承認を得るためには、チーム一丸となって新規ビジネスのアイデアをとことんまで議論する必要がある。
今日の会議でも、チームリーダーの青木健太郎は、「食育」を軸としたビジネスに熱弁をふるっているが、メンバーからの反応はイマイチだ…。